とある晴れた日の朝、私は市場へやってきた。
「安いよ、安いよー」
「トマト3つで50円!」
「トウモロコシ10本100円!」
「じゃあ、トマト6つ」
「はいきたー!おまけでもう一個つけとくよ!」
「ありがとー」
そんな人間味あふれる、そして活気あふれるトークが飛び交っている。そう、ここは西安の市場。こんな雰囲気を日本で味わえる場所が今どれだけあるだろう。
なくはない。でもスーパーマーケットなどで買い物をすることが増えて、人との交流をしながらのお買物を楽しむ、なんていうことが少なくなったし、そうしたいという思いも減ったのではないかと思う。
日本も4,50年前にはどこにでもあった、どこか懐かしい景色があって、ホッとする。
(私はその時はまだ生まれていないけど、オールウェイズ3丁目の夕日っていう映画でやっていたのを見たことがある。あんなイメージ)
実際にその時代に育った人たちにはたまらない空間ではないかと思う。
ここは少し小さめの市場だ。中にはほんとに大きくて歩いて回るだけで30分くらいかかるような大きな市場もある。
無造作に盛り上げられた新鮮な野菜たち。中には日本では見たことのない野菜もあるから面白い。
ここではすべて量り売り。かごにほしい野菜を入れると種類別にはかりで重さをはかって、最後に値段を言われる。
米や落花生、トウモロコシの粉などがこんな風に売られている。これも全部量り売り。
香辛料もたくさん売られていて、これを日本のお土産に買って帰るのもいいかもしれない。(私も時々買って帰る、中国製品はあまり日本では好かれないが、、、)
豚肉たちが豪快に大きな塊で売られている。ロースや豚バラはもちろん、豚足、レバー、ホルモン、耳などありとあらゆる肉が買える。(手前にあるレバーの大きさにはびっくり)
ここで切ってというとそこで包丁でバサッと切ってくれるので、好きな量を買える。
ハエがたかってても「そんなの関係ねぇ」。(私はあまり市場では肉を買わない。)
中には豚や牛が皮をはがれてそのままぶら下がっているようなダイナミックな市場もある。(ここにも奥の方に半身がぶら下がっているのがわかるだろうか。)それは実際に西安に来た時の楽しみで、写真はお見せしない。ぜひ実際に見てみてほしい。
そしてここには生きた鶏もいる。見ていると、ひとりのおばさんがあの子がほしいと一匹の鶏をご指名。すると、店主はその子を裏に連れて行っってしまった。「コケーーー!」と鳴き声がしたあと待つこと5分、さっきの鶏がきれいに羽をもがれて登場。
ちょっとぞっとするような、光景もここには普通にある。これが西安一般人の日常だ。
いかがだろうか
観光ツアーに参加すると、その国の歴史や文化を見ることができるが、庶民の生活に触れる機会は少ないだろう。好き嫌いがあるかもしれないが、ぜひ旅行の合間にすこしホテルを飛び出して、コアな西安を楽しんでほしい。