ぺキチンの西安生ガイド

西安ツアーでは行けない観光穴場スポット②「夜の広場」


西安の夜は暗くなるのが遅い。それはこんなに西の方にあるのに北京時間を使っているからだ。東京から上海くらいの距離はあるのだから、時差が1時間くらいあってもいいのにとおもう。
今は夜の8時なのにまだうっすら明るい。
今日も一日頑張った、家に帰ろうと電動バイクを走らせていた。
すると遠くから、何やらにぎやかな音がする。西安の城壁の南門をいま通り過ぎたばかりだ。
その音はどんどん大きくなり、南門外側の「王府井广场」というデパートの前にある広場の前にたどり着いたとき、ついにその全貌が姿を現した。
こ、これは!
圧倒されるようなエネルギー、重低音が心臓に響くド迫力の大音量。
中国各地でも有名な「广场舞(ぐあんちゃんうー)」である。
広場で踊っているのはおよそ200人くらいだろうか。いやそれ以上かもしれない。
踊りの種類は様々で、変わった衣装を身にまとった少数民族っぽい踊り、おじさんおばさんがペア一組で踊る社交ダンス、おばさんたちがぴちぴちのダンス衣装をまとって扇子をもって舞っているところもある。
特に地元のローカルなダンスっぽいやつがものすごい迫力だ
太鼓やシンバルなどの楽器を持ち出してきてドンドン、ジャンジャンやっている。そのリズムにのって列になった人たちが龍のようにくねくねとリズミカルに動く。
かと思えば、こちらでは公開カラオケ大会だ。大画面に映してカラオケを楽しんでいる。歌唱力は、お世辞にも心地よいとは思えないレベルだが、こちらの人たちはそんなことは気にしない。自分の世界に浸り、熱唱している。
近所迷惑は大丈夫なんだろうかと思っていしまうが、そんなことはお構いなしである。
私は目の前の光景に、ただただあっけにとられて、口をぽかーんと開けたままだった。
人って、こんなエネルギッシュに動けるものなのだ、とあらためて中国人のパワーを実感した瞬間だった。
この「广场舞」は西安市内のいろんな広場で繰り広げられている。大きな公園やデパートショッピングセンターの広場などだ。
ツアーの合間にホテルを抜け出して、近くの広場でやっている「广场舞」を見るのも面白いかもしれない。もしかしたら、泊まっているホテルの真下でどんちゃんやりだすかもしれないので、もし聞こえてきたらぜひ降りて行ってみてほしい。
そして、さらに楽しみたい方は、一緒に踊ることもできる。隅っこの方に入ったり、列に入ったりして一緒に踊ればいいのだ。西安ではそれは何の抵抗もなく受け入れられる。
夜の西安のコアな楽しみ方である。
皆さんの旅行が素敵な思い出になりますように。
ぺきちん